映画音楽、楽しんでますか。
こんにちは、鳥居遊邦です。

今回ご紹介する作品は「カッコーの巣の上で」です。

020カッコーの巣の上で

 1975年の第48回アカデミー賞授与式で、主要5部門(作品・監督・主演女優・主演男優・脚本か脚色)を総なめにした作品です。
これはフランク・キャプラ監督の「或る夜の出来事」以来の41年ぶりの快挙です。
アカデミー賞の歴史の中で、この快挙を達成した映画は、他には「羊たちの沈黙」だけです。
 
 精神疾患のフリをして刑務所から精神病院へ移ってくる男が作品の中心です。
この男を演じるのはジャック・ニコルソン。病院のルールを改善するために仕組む、彼を軸としたエピソードがくりひろげられます。
病院、つまり体制側の権威の象徴がルイーズ・フレッチャーが演じる婦長です。作品はハッピーエンドではありませんが、素晴らしいエンディングです。
 アカデミー賞主演賞を獲得した2人の演技は非の打ちどころがなく、原作とは主人公を違えた脚色も脱帽モノです。

<ジャック・ニッチェ>
 作品のスコアはジャック・ニッチェの作品です。
彼の名前は日本ではあまり知られていません。有名なところでは「エクソシスト」も彼の手によるものです(主題曲の「チューブラ・ベルズ」はマイク・オールドフィールド)。
「愛と青春の旅だち」の主題歌「Up Where We Belong」はバフィ—・セント・メリーらとの共作です。
 
 ここで取り上げる曲は「Charmaine」。
1950年代のマントヴァーニの作品です。劣悪な環境下にあることに加え、楽しい将来は期待できない状況とのコントラストが、作品の完成度を高める効果を引き出す美しい曲です。

<ジャック・ニコルソン>
 一時のジャック・ニコルソンは「脚本を読まずに仕事を受ける男」と揶揄されるほど、多くの幅広い役を演じています。
「イージーライダー」でアカデミー助演男優賞にノミネートされて以来、多くの賞にノミネートされ、受賞をしています。ここ数年は出演作が減り、記憶障害やアルツハイマーの報道もありましたが、ガセだったようです。
 
 映画とはまったく関係はありませんが、1990年代のアエラのインタビューでは、「姉だと信じていた女性が、実は母親であった」と告白しています。

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「カッコーの巣の上で」(1976) One Flew Over The Cuckoo's Nest
監督:ミロス・フォアマン
作曲:マントヴァーニ(サウンドトラックはジャック・ニッチェ)
出演:ジャック・ニコルソン/ルイーズ・フレッチャー/ウィル・サンプソン